雑記

重い気持ちで投票してきた。自分をロビン・クックになぞらえるつもりなど毛頭ないが、しかし、彼が閣僚辞任演説の最後で言った with a heavy heart という言葉が浮かぶ。 それはともかく、今回の選挙で、自民党は、従来の支持層の一部を切り捨てても都市住民…

雑記

明日が総選挙か。気が重い。パソコンのファイルを整理してたら、7月9日に書いた日記のファイルを発見。そのままアップしておこう(id:flapjack:20050709)。id:flapjack:20050906で触れたアンドリュー・マーの本をこの日に買ってたんだな。 土曜日だったので、…

ポリー・トインビー『ハードワーク:低賃金で働くということ』東洋経済新報社(ISBN:4492222642)

上でふれたポリー・トインビーの本が今年6月に邦訳されていたことがわかったので、補足。 この本については、アマゾンの該当ページのほか http://blog.goo.ne.jp/old-dreamer/e/f487e87d6c1110826d00e364979d9264 http://d.hatena.ne.jp/kenkido/20050905 …

イギリスの政治報道をめぐる議論:ニック・ロビンソンのBBC政治部長就任をめぐって

やっぱり外堀だけ埋めてほっとくのはよくないか、と思い、昨日のエントリー(id:flapjack:20050906)の続きを書く。 今度BBC政治部長に選ばれたニック・ロビンソンは、タイムズ紙にNick Robinson's Notebookというコラムを連載していた(ここ:写真も拝める)…

BBC政治部長交代

少し垂れ流しになるが、いいや。 ここでもしばしば言及している「英国メディアウォッチ」の9月2日のエントリーで「BBCの政治部長ニック・ロビンソン氏」とあったので、あれっと思った。 ニック・ロビンソンは確かにもともとはBBCの政治記者だったが、過去…

破裂

総選挙になると決まってから日に日に、いやーな感じがおなかにたまってきて、非常に気分がわるい。ここに何か書こうと思っても、そのいやーな感じについて触れざるをえなくて、でもそういう感じでは書きたくなくて。なんか、書き込みに行った先でも、無駄に…

500年まえの「テロリスト」

台風一過。部屋から富士山がくっきりと見える。ひさしぶりだ。 Jane Stevensonによる「イエズス会士再訪 Jesuits revisited」というガーディアンの論説。この中には一度もイスラム教徒が言及されていないが、500年前のカトリック教徒急進派と現在のイスラム…

モー・モーラム死去

ロビン・クックが亡くなってショックをうけているのに、今度はモー・モーラム Mo Mowlam が。彼女は、北アイルランド担当相として歴史的な1998年の北アイルランド和平合意(グッドフライデー・アグリーメント)を実現させた最大の功労者として歴史に名を残す…

「自民分裂」メディアのネーミングに異議あり

ここ数日ニュースとか見たくないのだが、その理由はだいたいここでかかれてあるようなこと。「刺客」だとか「自民党分裂」とかそういう言葉づかいはかなり問題だと思う。 あと、個々の候補、あるいは候補同士の「バトル」に密着しすぎ。密着するとしても、選…

オザケン小説連載開始

連れと近くの図書館で落ち合ったとき新着雑誌をなんとなくぱらっとみてたら、小澤俊夫編集『子どもと昔話』という季刊小雑誌が目にとまる。小澤俊夫は昔話研究でしられる碩学である。2000年に白百合女子大を引退され、今は小澤昔ばなし研究所(website)を主宰…

広島原爆投下翌日のガーディアンの社説

http://www.guardian.co.uk/secondworldwar/story/0,14058,1542723,00.html 1945年8月7日(火)社説 人類はついに自分たちを完全に破壊しつくす手段を極める途上にある。将来のあらゆる国際関係は、よかれあしかれ、原子爆弾の存在によって影響されることに…

広島原爆投下60年

というわけでしばらくお休みにしていたガーディアンウォッチ。少し再開。 数多くの論説が掲載されている。以下がとりあえずのリスト。 Focus: Hiroshima 60 Years On http://www.guardian.co.uk/secondworldwar/hiroshima/0,16218,1531839,00.html これに加…

ロビン・クック死去

数日前にこのニュースを聞いたときはかなりショックだった。スコットランドで山歩きの途中に心臓発作で死去。何度もここで書いているが、彼のイラク戦争に反対する閣僚辞任演説(これは訳さねば)は歴史に残るだろうし、フランス・欧州憲法否決の際に彼が書…

8月ももう2日かい。

東京に帰ってきて一週間がすぎた。イギリスでの20日足らずの滞在はあっというまに過ぎてしまった。学会発表、資料の収集、出版関係での大進展、友人・先生たちとのメシ+呑み、銀行やら不動産屋やら車屋さんやらとの残務整理、雑誌論文打ち合わせなどなど…

驚愕

学会会場のバーではBBCのニュースが大画面で映し出されていた。1年ぶりやら3ヶ月ぶりやらの友人たちと飲みつつ話にふけっていたら、急にまわりがざわざわしはじめる。どうもロンドンの爆破事件の犯人のすんでいた場所がわかったらしい。ソファーから立ち上…

ここ数日の出来事

住みなれた町に戻ると、アポをとっていたわけでもない友人や知り合いに出会いまくる。夜、友人宅に着いて翌日大学の図書館でコピーやら調べものやらをすると別の友人に会う、一緒に図書館を出るとまた別の友人にでくわす。金曜日の夕方だ、いっしょにあとで…

近況

あーっというまに日々が過ぎていきます。前回のエントリーにたくさんトラックバックいただいて、追加したい情報もあるのですが、できてません。id:kmiuraさんの飲み会があったのを知ったのも終わってからという。で、今はイギリスの古巣です。とりあえずロン…

韓・中・日共同歴史副教材『未来をひらく歴史』をめぐって

上に書いたような流れで、最近発刊された韓・中・日共同歴史副教材『未来をひらく歴史』(ISBN:4874983413)というのも見られるというか、見るべきなのだが、那須さんもいわれるように、それがあまり日本で一般的であるようには見えない理由は、日本の初等中等…

イギリスの歴史教育

そういうことを考えていたときに、那須さんからトラックバックされた。中途半端にid:flapjack:20050612でリンクをはっただけのトリストラム・ハントのガーディアン論説の意味について解説してくださったのだ。あることについてちょっと書いてはそれをフォロ…

概説書/教科書の使い方

自分のことを振り返ると、人文系の概説書/教科書というのは初心者が読むべきものとされているのだが、僕個人としては日本での学部から院にかけて概説書をきちんと読めたためしがなかった気がする。ぴらぴらめくって、はーん、みたいな。概説書/教科書とい…

読書能力の発展段階

読書能力の発展段階を<①論理を追うほどの能力がないので、適当に名句のようなものを探し当て、そこだけに過剰反応する>→<②論理が追えるようになり、ついつい性急に結論部を探してしまう>→<③全体が見渡せるようになり、細部をじっくり楽しむ余裕ができる…

「“テロとの戦い”の真相」再放送決定

id:flapjack:20050606#p2で放送を逃してしまった、BBCのドキュメンタリーの再放送決定とのたれこみをいただきました。ふーちゃんありがとう。 http://www.nhk.or.jp/bs/wdoc/ “テロとの戦い”の真相(再) 6月25日(土)後2:10〜5:00 ご好評を頂いた「“テ…

土曜日のガーディアン論説

とりあえず、翻訳する時間がないので、日本の文脈ともいちばん関係あるものだけを一つをあげておく。トリストラム・ハントによる歴史教育についての文章で、「過去の徴発―歴史教育を幼稚な道徳劇にかえてしまおうとするな」というもの。 Conscription of the…

フランス=イギリス―心理的なあや

もちろん、こうしたEU経済改革についてだけが、論点なのではなくて、イギリスとフランスのあいだには微妙な心理的あやが存在する。たとえば、小林恭子さんは、「フランスが悪い」という最新のエントリーでイギリスの政治家たちがEU憲法を国民投票で否定され…

フランスとイギリスの温度差―EUの経済政策について

ジジェクとロビン・クックについて足りない頭で考えてみたわけだが、それをさっそくfenestraeさんがフランスからの視点で相対化してくださった(id:fenestrae:20050606#TCENonPorteurDEspoir)。そのおかげで、イギリスからみえる風景とフランスから見える風景…

The Power of Nightmares:「“テロとの戦い”の真相」としてNHKBS1で放映

id:flapjack:20041104#p2で少し詳しく紹介した、BBCで放映されたドキュメンタリー番組 The Power of NightmaresがNHKBS1で昨夜三部一挙に放映されたことを no frillsさんのところでしる。知らんかったよー。ぜひ日本でもやってほしいと思っていたので…

EU憲法否決についてのジジェクの論説への疑問

fenestraeさんがこう書かれている(id:fenestrae:20050604#TCEConcurrenceLibreEtNonFaussee)。 ノンが既定事実になったとあと、もう一度ノンを再訪しながら、こうやって書いていると、ノンの人々の議論を追認するようなぐあいになっていくのは、現実への日和…

イザベル・ヒルトンの中国アップデート

同じく土曜日のガーディアン論説から。 http://www.guardian.co.uk/comment/story/0,3604,1498958,00.html 中国共産党の一党独裁の正統性が、天安門以降揺らいでいることと、党がナショナリズムをあおっていることと関連しているという話。 イサベル・ヒルト…

スラヴォイ・ジジェク on 欧州憲法否決

昨日のエントリー(id:flapjack:20050603#p2)で EUをひっぱる政治家たちが民衆の不安に対してまともに対応してこなかった という分析がでている話をかいたけど、土曜日の論説でもスラヴォイ・ジジェクがこの点をさらに強調している。 彼の論説のタイトルは、…

レイモンド・ウィリアムズを想う

おっと、あと次の週末が来る前に先週のガーディアン・オブザーバーの週末読書欄から。イギリスでは過去の人になってしまっているっぽいレイモンド・ウィリアムズ。小説を書くことがそれほど彼にとって大きかったとは知らなかった。 http://books.guardian.co…