あらためまして休眠のごあいさつ

いやもう、ここに書き込まなくなってずいぶんになりますが、まだ見ていてくださる方がいらっしゃったら、申し訳ないことです。たんじゅんに、以前はブログのために使えていた時間が完全にふっとんでしまっている状況なので、別に以前からここは休眠していた…

「リアル『マトリックス』」の思い出

昼飯のあと、腹ごなしに図書館のなかをぶらついていたら、宮台真司『サブカル「真」論』asin:4901391666が目について手にとった。宮台真司がこういっていた。 「(略)『マトリックス』は、社会的コクーニングです。生命維持装置につながれて、妄想的な夢を…

阿部謹也氏逝去

亡くなられたか。生前、直にお会いしたことが一度だけある。自分の書いたものをいつか読んでいただければよいなと、心のどこかで思っていたようだと逝去の報に接して思う。間に合わなかった。途中から学者としては「あがって」しまわれた感があったが、彼が…

Reza Aslan, No God but God: The Origins, Evolution, And Future of Islam (orig. 2005, 2006)

かえりには飛行機の乗り換えでアムスによったのだけど、手もとにはそのまえの飛行機にのるときにもらったガーディアンと学会で買った本しかなかったので(それだけでも十分といえばそうなんだが)、もう一つなにか欲しいなと思い、スキポール空港内の書店を…

学会の醍醐味

先月、一年ぶりにヨーロッパのある国でひらかれた学会で発表した。いつものことだが(今回は80人の参加者中)日本人ひとり。尊敬する研究者たちを目の前にしてしゃべり、そのあと彼等から笑顔で握手を求められる。非常にうれしい。その場になってみれば緊…

15年

五十嵐一(ひとし)氏殺害事件の時効まで30分をきった。殺害される数日前に研究室でお会いし、夏休み後にゆっくり食事でもしながら話をしよう、といわれたばかりだった。殺害のニュースにショックをうけつつ数日後には予定通り中東へ出発。帰国後、警察が…

学会におけるシンポジウム

某月は学会シーズンで初めて出席したものもふくめていくつか参加した。何度も出席したことがある学会で聞いた個々の研究発表のレベルは、もちろん当たりはずれはあるものの総合的には上がっていると思う。 しかし、出席したどの学会でも、個別の研究報告では…

Kazuo Ishiguro, Never Let Me Go

そういえば、Kazuo Ishiguro の Never Let Me Go もだいぶまえに読んだんだけど、書いていなかった。 この小説は、ある種SF的状況を描いていて、それはもちろんこの小説の枠として非常に重要なのだけど、それよりもなによりも、その状況を「ふつう」のこと…

Vikram Seth, A Suitable Boy 読了!

今を振り返れば、一年半も前にこの小説を読みはじめた(id:flapjack:20040913#p1)が、昨日風呂のなかにてついに読了した(ハフー、遠い目)。 イギリスから独立したばかりのインドが初めての総選挙をむかえるだいたい一年の時間を、架空の町ブランプール Brah…

ためいき

今、どうしても時間も体力も気力も割けないので、一般論をつぶやく。 自分の言い分(の結論)は明示せずに、しかし論争相手はそれを理解するよう要求するという書き方は好ましくない。 論争相手はそれを深読みし、さらに、それが相手の意図としているところ…

リアルとウェブのつなげ方

完全に個人的メモ。 梅田望夫さんが『ウェブ進化論』を出して気づいたこと(ここ)。 この本についても、中身はウェブの上でずっと議論してきたことが断片としてずっとあって、でもそれで伝わっていた人たちというのはすごく狭い、コアな読者だけだった。と…

剽窃について(再度)

ブルーバックス2点を回収・絶版への件について。 http://shop.kodansha.jp/bc/books/bluebacks/oshirase.html 朝日新聞の記事で重要なのは以下の部分。 巻末に参考文献として挙げてはいたが、本文中に引用個所の明示がなかった。 「巻末に参考文献として挙…

博論から本へ(英語圏において)

Getting It Published: A Guide for Scholars and Anyone Else Serious About Serious Books (Chicago Guides to Writing, Editing & Publishing)作者: William Germano出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr発売日: 2001/05/01メディア: ペーパーバックこの…

笑顔

ベタベタなことを書く。こんなことを書きながらも、フィギュアスケート女子決勝はしっかり見た。 荒川静香の演技を中継で見たときも、そしてその後何度リピートでみても感じ入ってしまうのが、最後にとんだジャンプを終えた後にこぼれた笑顔だ。そこまでの演…

I'm Huge in Japan!

こんど訪ねてくるイギリスの友人が「これ私もひとつ買うべき?」って送ってあるサイトのURLを送ってきた。http://www.noisebot.com/im_huge_in_japan_t-shirt そしたら、これ(>写真)かよ、ワラた。意味が深すぎ。

はてダ再接続

ずいぶん久しぶり。プッツリと糸がとぎれるように更新しなくなっていた。この間、やたらにいろいろ起きたなあ。最後のあたりもすでにそうなってたけど、時事系のネタにはあんまり反応しないで再開しよう。 どうもマス・メディアを通じて情報を受け取る時点で…

英語で書く−パラグラフ・ライティング

http://d.hatena.ne.jp/zappa/20051202#p3 http://d.hatena.ne.jp/zappa/20051203#p1 禿同。英語(あるいは欧米言語)で書くときはこれ。 この話は、実は、英語から日本語への翻訳にもつながっている。 http://albion.main.jp/memo/archives/2005_10_12.html…

『国家の罠−外務省のラスプーチンと呼ばれて』

佐藤優著。新潮社(リンクは右のイメージから)。前のエントリーでふれた『「朝日」ともあろうものが。』を読み終えようとしていたところ、近所の公立図書館からメール。半年前に予約していた『国家の罠−外務省のラスプーチンと呼ばれて』が貸し出し可能にな…

ガーディアン批判

アムステルダムで開かれていた、世界の報道ジャーナリスト、編集者、製作者たちの会議 NewsXchange のガーディアン報道に対して小林恭子さんが批判されている。 http://ukmedia.exblog.jp/3052181/このあたりの記事に対する批判なのだろうな。 http://media.…

前駐米英国大使クリストファー・メイヤー回想録

1997年から、イラク戦争会戦直前の2003年2月まで駐米大使を務めたクリストファー・メイヤー氏の回想録の抜粋が、今週中毎日、ガーディアンとデイリー・メイルで掲載されている。ガーディアンのほうの連載一覧は以下から。 http://politics.guardian.co.uk/ir…

ジャーナリストによる政府採点

で、id:flapjack:20050907#p2でふれたポリー・トインビーの『ハードワーク:低賃金で働くということ』東洋経済新報社(ISBN:4492222642)を読みはじめたのだけど、トインビーが住み込むひどい公共住宅の場所がランベスで、ここはまさに『ホワイト・ティース』…

ゼイディー・スミス『White Teeth』読了

前の日のエントリーでふれたばかりだけど、ゼイディー・スミス『White Teeth』ついに読了(リンクは前の日のエントリーにあります)。すっげー楽しかった。ムフムフしながら読み終えた。とっくに読み終わっていた家人としばし『White Teeth』談義、これも楽…

ゼイディー・スミス『ホワイト・ティース』佳境

id:flapjack:20050910#p1でふれた『ホワイト・ティース』ですが、めちゃくちゃおもしろい。最初、彼女の英語のリズムになれるのに数ページかかったけど、その後快感に。至福ですなあ。電車のなかで読んでいたとき、おもわずふきだしてしまって、やばかった(…

メモ

トラックバックをいただいたbewaadさんのエントリーで「ウェストミンスターモデルを支える憲法的諸慣習」(「習律」、convention)をもっと知りたいと言われていました。僕自身あまり知っているわけではないのですが、議会における党議拘束のあり方(バック…

イギリス、来年5月イラク撤退開始(>日本も続く)

ガーディアンの日曜版であるオブザーバーのおそらくスクープだとおもわれる記事によれば、イギリスは、来月公表される詳細な撤退プランにもとづいて、来年五月に大規模な撤退をはじめるようだ。 Britain to pull troops from Iraq as Blair says 'don't forc…

日本はイギリスの道をたど(れ)るのか。

すでにbewaadさんが論じられているように、今回の自民党がこれだけ議席を獲得したのは、小選挙区制がその制度的特性をもろに発揮した結果だ。その小選挙区制はイギリスを見て導入したものだと覚えている人も多いだろう。 さっき、90年代の終わりごろにイギ…

ガーディアン小型化

土曜日の「出口と入り口」と題された社説が、今日12日から紙面の大きさを、これまでのブロードシート(だいたい日本の新聞のサイズ)から、ベルリナー・サイズ(ル・モンドなどの大陸ヨーロッパでよくみられるサイズ)にフォーマットを変えると予告してい…

「新聞とTVの切り離し」という考え

上のエントリーは開票が始まる前に書いておけ、と思って上げといたんだけど、まあ、都市の有権者は見事に自民党にいってるなあ。 とりあえず、以下をコピペ。武田徹のオンライン日記(9月11日(日)22時14分7秒)より。 これは、改めて言うまでもないけれど、自…