2006-01-01から1年間の記事一覧

阿部謹也氏逝去

亡くなられたか。生前、直にお会いしたことが一度だけある。自分の書いたものをいつか読んでいただければよいなと、心のどこかで思っていたようだと逝去の報に接して思う。間に合わなかった。途中から学者としては「あがって」しまわれた感があったが、彼が…

Reza Aslan, No God but God: The Origins, Evolution, And Future of Islam (orig. 2005, 2006)

かえりには飛行機の乗り換えでアムスによったのだけど、手もとにはそのまえの飛行機にのるときにもらったガーディアンと学会で買った本しかなかったので(それだけでも十分といえばそうなんだが)、もう一つなにか欲しいなと思い、スキポール空港内の書店を…

学会の醍醐味

先月、一年ぶりにヨーロッパのある国でひらかれた学会で発表した。いつものことだが(今回は80人の参加者中)日本人ひとり。尊敬する研究者たちを目の前にしてしゃべり、そのあと彼等から笑顔で握手を求められる。非常にうれしい。その場になってみれば緊…

15年

五十嵐一(ひとし)氏殺害事件の時効まで30分をきった。殺害される数日前に研究室でお会いし、夏休み後にゆっくり食事でもしながら話をしよう、といわれたばかりだった。殺害のニュースにショックをうけつつ数日後には予定通り中東へ出発。帰国後、警察が…

学会におけるシンポジウム

某月は学会シーズンで初めて出席したものもふくめていくつか参加した。何度も出席したことがある学会で聞いた個々の研究発表のレベルは、もちろん当たりはずれはあるものの総合的には上がっていると思う。 しかし、出席したどの学会でも、個別の研究報告では…

Kazuo Ishiguro, Never Let Me Go

そういえば、Kazuo Ishiguro の Never Let Me Go もだいぶまえに読んだんだけど、書いていなかった。 この小説は、ある種SF的状況を描いていて、それはもちろんこの小説の枠として非常に重要なのだけど、それよりもなによりも、その状況を「ふつう」のこと…

Vikram Seth, A Suitable Boy 読了!

今を振り返れば、一年半も前にこの小説を読みはじめた(id:flapjack:20040913#p1)が、昨日風呂のなかにてついに読了した(ハフー、遠い目)。 イギリスから独立したばかりのインドが初めての総選挙をむかえるだいたい一年の時間を、架空の町ブランプール Brah…

ためいき

今、どうしても時間も体力も気力も割けないので、一般論をつぶやく。 自分の言い分(の結論)は明示せずに、しかし論争相手はそれを理解するよう要求するという書き方は好ましくない。 論争相手はそれを深読みし、さらに、それが相手の意図としているところ…

リアルとウェブのつなげ方

完全に個人的メモ。 梅田望夫さんが『ウェブ進化論』を出して気づいたこと(ここ)。 この本についても、中身はウェブの上でずっと議論してきたことが断片としてずっとあって、でもそれで伝わっていた人たちというのはすごく狭い、コアな読者だけだった。と…

剽窃について(再度)

ブルーバックス2点を回収・絶版への件について。 http://shop.kodansha.jp/bc/books/bluebacks/oshirase.html 朝日新聞の記事で重要なのは以下の部分。 巻末に参考文献として挙げてはいたが、本文中に引用個所の明示がなかった。 「巻末に参考文献として挙…

博論から本へ(英語圏において)

Getting It Published: A Guide for Scholars and Anyone Else Serious About Serious Books (Chicago Guides to Writing, Editing & Publishing)作者: William Germano出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr発売日: 2001/05/01メディア: ペーパーバックこの…

笑顔

ベタベタなことを書く。こんなことを書きながらも、フィギュアスケート女子決勝はしっかり見た。 荒川静香の演技を中継で見たときも、そしてその後何度リピートでみても感じ入ってしまうのが、最後にとんだジャンプを終えた後にこぼれた笑顔だ。そこまでの演…

I'm Huge in Japan!

こんど訪ねてくるイギリスの友人が「これ私もひとつ買うべき?」って送ってあるサイトのURLを送ってきた。http://www.noisebot.com/im_huge_in_japan_t-shirt そしたら、これ(>写真)かよ、ワラた。意味が深すぎ。

はてダ再接続

ずいぶん久しぶり。プッツリと糸がとぎれるように更新しなくなっていた。この間、やたらにいろいろ起きたなあ。最後のあたりもすでにそうなってたけど、時事系のネタにはあんまり反応しないで再開しよう。 どうもマス・メディアを通じて情報を受け取る時点で…