博論から本へ(英語圏において)

From Dissertation To Book (Chicago Guides to Writing, Editing & Publishing)

From Dissertation To Book (Chicago Guides to Writing, Editing & Publishing)

id:zappaさんが上の二冊を紹介されていたので(id:zappa:20060223#p3)、ちょっとおしゃべりさせていただく。以下は、自分用にそこでのコメント欄での発言を適宜編集したもの。
  
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flapjack 『Germano本(前者)は私も買いました。個人的には、Univ. of Toronto Pressからでている、The Thesis and the Book: A Guide for First-Time Academic Authors, 2nd edn, 2003 が性に合ってるかんじです。』

The Thesis and the Book: A Guide for First-Time Academic Authors

The Thesis and the Book: A Guide for First-Time Academic Authors

flapjack 『いま、パラパラしてみて、昔読んだ記憶をよみがえらせてみたんですが、Germanoの本は本人が編集者なので、どうやって出版してくれるところを見つけるかとか、そういった実務的な部分をまんべんなくカバーしていますね。一方、The Thesis and the Bookのほうは、論文から本にするときにテクストをどういじるか、ということをもっぱら扱っています。Germanoで出版への道筋というものを理解したのですが、しかし、やっぱり元に本になるテクストを準備していかないとだめなわけじゃん、ということで後者を買ったという次第です。』
 
zappa 『Germanoの下もテクストいじりの話ですね。実務的な部分っていうのは非常に興味があるので上の方が面白く感じたのかしら。まだ全部は目を通していないのですが。』
 
flapjack 『ビジネスとしての学術出版の世界の話としておもしろいですよね。日本のように出版助成金頼みというわけではなくて、学術出版でもぎりぎり商業出版としてなりたっているようなので、そこらへんがおもしろいというか(認識ちがいがあるかもしれませんが)。
 Germanoの下はそういう話なんですね。違いはなんだろうと思ってました。これって、去年でたばかりということは、順番としてはさっき書いたのでよいということかな、と。』
  
zappa 『ケンブリッジの同級生も一人PhD取得後学術商業出版社に就職しました。こう、人文系学位取得者の就職口の一つとして名門私立校と学術商業出版社はわりと確立しているイメージがありますよね。日本だとそんなことないんだろうけれど。』
  

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文系学術出版の世界については、アメリカと日本の双方のマクロ的状況およびその関係、変化、その意味について

出版と知のメディア論―エディターシップの歴史と再生

出版と知のメディア論―エディターシップの歴史と再生

が良質だと思う。

追記:長谷川一氏のブログ http://booklog.kinokuniya.co.jp/hasegawa/
あ、この本前から読もうと思っててそのまんまになってた。読もう。
http://booklog.kinokuniya.co.jp/hasegawa/archives/2006/02/post_4.html

なぜ人は書くのか (認知科学選書)

なぜ人は書くのか (認知科学選書)