ゼイディー・スミス『White Teeth』読了

前の日のエントリーでふれたばかりだけど、ゼイディー・スミス『White Teeth』ついに読了(リンクは前の日のエントリーにあります)。すっげー楽しかった。ムフムフしながら読み終えた。とっくに読み終わっていた家人としばし『White Teeth』談義、これも楽しい。
 『ホワイト・ティース』で検索するとなんかいまいちな評もウェブでは見えるが、さすがに池澤夏樹はよく読めている(というとすごい失礼だけど)。
http://www.impala.jp/bookclub/html/dinfo/10117309.html

ただし、喜劇の場合でも悲劇と同じで、最も大事なのは、どんなに誇張しようと、派手なエピソードを連ねようと、全体としては真実を書かなければならないという点である。酔っぱらいがいくら千鳥足で迷っても最後には家に帰るように。
 これは二十世紀後半という時代の、人種混交と民族移動と文化衝突と宗教解体と科学失権の時代を正確に描いた大きな戯画、あるいは広い奥行きのある舞台で演じられるミュージカルだ。
 それに読者が気づくのは、しかし、読み終わってしばらくたってからだろう。読んでいる最中は目先のおもしろさを追うのが精一杯。つまり細部の作りがまことにうまい。

 まじお勧め。この小説はチャンネル4で四回に分けてTVドラマ化されたんだけど、そのときは読めてなかったからスルーしたんだよなあ。残念。これも絶賛されてたし、はやくDVDでないかなー。
http://www.companypictures.co.uk/whiteteeth.asp