ガーディアン小型化

土曜日の「出口と入り口」と題された社説が、今日12日から紙面の大きさを、これまでのブロードシート(だいたい日本の新聞のサイズ)から、ベルリナー・サイズ(ル・モンドなどの大陸ヨーロッパでよくみられるサイズ)にフォーマットを変えると予告していた。このベルリナー・サイズというのは、タブロイドよりも少し大きい。
 インディペンデントとタイムズがタブロイドしたあと、それをおいかけてガーディアンも小型化すると18ヶ月前ぐらいにアナウンスがあったわけだが、もうそんなにたったのか。
 僕はまだウェブ上とPDFでしか見ていないが、ついに新しいサイズのガーディアンを見たところだ。詳細は Birth of the new-look Guardian というページから追える。PDFバージョンで今日の紙面のかなりをタダでダウンロードできる。サイズが変われば、レイアウトなどにも違いがでてくる。ガーディアンのタイトルのフォントも変わった。サイズの違いはウェブ上では実感できないが、http://digital.guardian.co.uk/ で、昨日以前の第一面の紙面と今日のと比較できる。
 ガーディアンの編集長であるアラン・ラスブリッジャー(Alan Rusbridger)が、今日の紙面で、「きたるべきもののかたち The shape of things to come 」という記事を書いていて、このなかで、このサイズ変更・紙面リニューアルについて、詳しく書いている。とりあえず箇条書きすると:
1)サイズの小型化
2)新聞タイトルと見出しのフォントの変化。Garamond, Miller, Helveticaをまぜあわせた David Hillmanによるデザインから、新しい Guardian Egyptian というフォントへ。
3)色 すべてのページをカラー印刷可能(他の全国紙からガーディアンが抜け出る点) 写真に力をあたえることができるし、過去ガーディアンに近づきがたいと思っていた人たちが近づきやすくなる効果を狙う。
4)G2(新聞の締め切りをもつニュース・マガジン)もリサイズ;スポーツ欄はそれ毎日少なくとも12ページある(これは読者層の拡大を狙う手段だな)
5)タイムズで論説をかいていたサイモン・ジェンキンス Simon Jenkins をひきぬいて、ガーディアンにもってきた。(なるほどねえ:たしかにこの人選はいい)
6)土曜版についてくるWeekend magazineも変えた(これは個人的にはどうでもよし)
 「こうした変化は、これまでのブロードシートのサイズだと、通勤とかの日常のなかで読みづらいという読者調査に対する対応だが、その調査は、読者がかわってほしくないと思っていることも示している:そのなかに含まれているのは"our comprehensive commitment to news and the intelligence and seriousness of our coverage and comment"である。」
 「新聞のデザインをかえるにあたっての挑戦は、ジャーナリズムに忠実である一方で、それを読みやすく扱いやすくすることだ。」
 「ガーディアンのデジタル版は世界中で、一千百万人ちかくの人に読まれている。」
 「ガーディアンは,1821年にガーディアン(当時はマンチェスター・ガーディアン)を立ち上げたのと同じ家族が設立した1932年に《スコット・トラスト》によって所有されている。このトラストは、他のビジネスからえられた収入を、ガーディアンが、報道組織がますます数少ない多国籍企業の手におちている世界のなかで、シリアスで進歩的な声でありつづけるために再投資している。」
 「われわれは社主や株主をもっていないので、読者との関係が私たちにとっての主要な関係である。あなたがた読者がこの変化をどう思うか、そしてどういうふうにさらに向上させられるのかを知るのは重要だ。読者からのすべてのレスポンスをよむことを約束する。」

 この来るべき月曜日の紙面づくりの実際を、ブログで、リアルタイムでアップデートするという企画もあった。
 http://blogs.guardian.co.uk/editors/
 笑えたのは、ガーディアンのウェブのあちこちに掲げられたこのサイズ変更を宣伝する文句。Welcome it with not very open arms とか Less awkward size, same awkward questions とか。いいね(訳せない、こういうのは)。