クルーグマン・スティグリッツ新刊書評

前回の更新から週一どころか、もう2週間だ。しかも、bookmarksとかいいながら、bookmarkしてんのは、ガーディアンの記事ばっかりだったりしてな。要するに、自分の博論以外で今読んでいるのは新聞だけというだけのことなんだが。

ということで、今日も買ってしまったガーディアン土曜版。

おー、クルーグマンスティグリッツそれぞれの新刊がウィル・ハットンという人(この人のThe World We're Inという本がでているみたい)によって同時書評されている。
http://books.guardian.co.uk/reviews/politicsphilosophyandsociety/0,6121,1060406,00.html

問題の新刊とは以下の2冊。
The Great Unravelling: From Boom to Bust in Three Short Years
by Paul Krugman 464pp, Allen Lane, £18.99

The Roaring Nineties
by Joseph Stiglitz 432pp, Allen Lane, £18.99

この書評のタイトル「Our foreign friends」は非常に意味深い。これはもちろん、クルーグマンスティグリッツのことを指している。しかし、「われわれの異国の(foreign)友人」とはどういう意味だろうか。もちろん、イギリス人からしてみれば、アメリカは外国である。しかし、ふつうアメリカが「外国」だとはイギリス人はあんまり考えていないのである。

もちろん、foreignという語に二つの意味が掛けられているのだ。ここで書評者が言いたいのは、以下の2点である。

1) アメリカがいかに、普通考えられている以上にヨーロッパからいかに「外国」=「かけ離れた国」(foreign country)になってしまっているか。

2) そのなかで、理の通ったまともなことをいっているこの二人がヨーロッパ的に志向しており、彼ら自身の国であるアメリカ国内のなかでいかに「外国人的な」(foreign)存在になってしまっているか。

僕は経済学そのものについては非常に暗いので、へたにいろいろいうのは避けたい。それよりも、この論旨自体が一般論として僕がふだん考えていることにぴったりなので、後半を訳してみたい。