ロンドンの日本人地域

金曜日(1月21日)のガーディアンのG2(タブロイドサイズの中刷り読み物)の表紙と裏表紙がロンドンの地図でうめつくされていた。ロンドンには、ある国からやってきた人々が集中して住む地区が数多くあり、それがこの地図に描かれている。100の地区にしるしがつけられて、それぞれの地区にどういう国の人が多く住んでいるのかがわかる。他にもこの中刷りのなかには、インド系、中国系、アイルランド系、アフリカ系黒人、カリブ海系黒人などなど(つまり国別ではなく民族・人種系)がロンドンのどのあたりに多く住んでいるかをどこかを示す地図が織り込まれている。宗教別の分布図もある。非常に面白い。ロンドンのなかに世界があるというわけだ。さて、記事のなかには日本人が住む地域についてのコメントもある。訳してみよう。

 日本からイギリスへの大規模な移民はいまだかつてない。けれども(ロンドンと東京という)二つの金融の中心のあいだのつながりによって、多くのエグゼクティヴとその家族が日本からやってきているし、また日本の富は、非常に数多くの学生がロンドンにくることを可能にしている。結果として、前回の国勢調査によると、19,185人の日本生まれのロンドン住民がいるわけである(たぶん実際には5万人ぐらいはいるのではと言われている:flapjack)。
 このような経済的に恵まれたプロファイルをみれば、ロンドンの日本人は、ケンジントンフルハム、ワンズワース、リッチモンドといった裕福な郊外に概して住むことを選んだフランス人やドイツ人、そしてアメリカ人と似たようなパターンにしたがっているのではないかと思うであろう。しかし、これは実際におこったことではないのだ。
 ロンドンには二つの大きな日本人地区がある。一つはバーネット(Barnet)にあるトッテリッジ(Totteridge)周辺であり、もう一つは、イーリング(Ealing)のハンガーヒル(Hanger Hill)とアクトン(Acton)である。この二つの地区には、日本人学校とビジネスが整っている。しかし、それぞれの地区の中心には大きな緑地があり、それらは学校やビジネスよりも重要なのだろうと人には感じられるのである。ゴルフコースである。ゴルフコースは、外国にいる日本人にとって、そのほかのすべての国の人々にとって教会やレストランが果たす役割を果たしているように思われる。

わはは。