Vikram Seth, A Suitable Boy (ISBN:1857990889)

 ヴィクラム・セト(ただ英語だとセスと発音されてた)の初の長編小説。この間アバレストウィズの友人たちから勧められた。これまで読んだ小説のなかでベストといっていた。かなりの小説読みの彼女にそう言わせるのだから、読む気になった。スティーブン・キングもこの本をお薦め本の一つとして挙げている。また関口真理さんによれば、この本は欧米でベストセラーとなりブッカー賞も当然視されていたらしい。
 しかし、実際はノミネートすらされなかった。たぶん、この本が厚すぎて審査する側に敬遠されたんじゃないか。とにかく分厚いのだ、この小説。検索してたら「英語で書かれた1巻本の小説で一番厚い」といってる人がいた。今日買ってきたんだけれども1400頁近くあるのだ。ほへー。読めんのかな。電話をさっきかけてきた別の友人に「A Suitable Boy買ってきた」っていったら、この本知ってて「そりゃなかなかambitiousだねえ」といわれてしまった。いつごろ読み終わるんでしょうか。
 このセトという人はインド系の作家で、この A Suitable Boyという本も独立直後のインド社会における家族を描いているのだが、ここらへんの文脈については、同じく関口真理さんによる「ナーラーヤン、ラシュディから最新作まで〜インド・南アジアの英語文学2002」が参考になる。
 インドは行ったことないしぜんぜんよく知らない世界なんだけど、イギリスに数年住んでると、イギリスに移民してきたインド・パキスタン系の人々の知り合いができたり、彼らについてテレビとか新聞で見聞きすることがふえてくるし、カレーはうまいし、興味はあるのだ。読んでみないとわからんわからんけれども、英語圏の影響を深く受けつつ変容しつつある社会と考えるとインドと日本で似てる部分があるかもなあ、と思ったり(まあ、それ言い出すと「どこでも」ってことになってしまうが)。