ラムおじちゃんはほっとこう(So let Rummy be)。

今日のガーディアンの社説(Leader)(3本のうちの最後)
http://www.guardian.co.uk/leaders/story/0,3604,1098422,00.html

いっとくけど、これ、イギリスを代表する新聞の「社説」だよ。すばらしい。

汝の敵を知れ。 「わかりやすい英語」について

ドナルド・ラムズフェルドは、多くのことのかどで、批判されうる。しかし、この合衆国国防長官を、英語の使い方のかどで批判するのは違う。「わかりやすい英語運動(The Plain English Campaign)」は、今週、ラムズフェルド氏が今年記者会見で述べた以下のコメントに対して、本年度の「口に足(Foot in Mouth)」賞を贈ることに決めたのだが、同運動はそうすることで運動自体の価値を下げることになった。ラムズフェルド氏のコメントは以下のとおりである。

何かが起こっていないというレポートはいつも自分にとって興味深い。というのは、我々が知っているように、すでに知られている知られていることがある。つまり、我々が知っていることを知っていることがある。また、すでに知られているいまだ知られていないことがある。 つまり、我々は、我々がしらないことがあることをしっている。しかし、また、いまだ知られていない知られていないことがある。我々が知らないことを知らないことだ。
Reports that say something hasn't happened are always interesting to me, because, as we know, there are known knowns, there are things we know we know. We also know there are known unknowns; that is to say, we know there are some things we do not know. But there are also unknown unknowns - the ones we don't know we don't know.

これは、実際、複雑な、ほとんどカント的といってよい考えである。これを理解するためには少しばかり集中しなければならない。しかし、これはバカという以外なにものでもない。これは同時に完璧に明解でもある。これは、一つも難解で回りくどい語を使うことなく、賞賛されるべきわかりやすい英語で表明されている。ケンブリッジ大学の文学理論家、アメリカ空軍の机上戦略家、あるいは財務省の税法作成者が、これほど有益な考えを思いつき、よいアングロ・サクソン語でこれほど簡潔に言い表したとしたら、クビにされるだろう。だから、ラムおじちゃんはほっとこう(So let Rummy be.)。「わかりやすい英語運動」は、笑いものにする価値のない奴を笑いものにするかわりに、もう少しマシな標的を見つけるべきである。