20年以内にヨーロッパに氷河期が到来する?(続き)

id:flapjack:20031114#p1の続き。
id:takeh:20031120#p2で、要するにこの番組はどういう番組なんだ、と聞かれた(ような気がした)ので、改めて考えた。

BBCのサイエンス番組ホライゾンは、「特命リサーチ200X」のような一見奇矯な主張を科学的検証する、ということではかならずしもないと思います。

番組の仕立てとしては、「これこれを研究している研究者がある日こんな発見をしてしまった。このデータをみた別の研究者が、それと自分の研究の知見とあわせると、こんなことになってしまった。(以下繰り返し。)その結果、こんなびっくりな結論がでてきました、どうしましょ。」というようなつくりです。

だから、結論がとんでもっぽくなることは往々にしてあるんですが、その経過自体が試行錯誤する科学の現場そのものだったりして、そこの面白さは科学の正しく楽しい部分ではないかと思います。

ただ、研究者にしてみればやっぱりよりインパクトのある話になったほうがおもしろいわけで、そのときに「そこからそこへは簡単には繋がらないだろう」という話も出てくる、と。つまり、極端にいえば、まだ結論がでていない問題において、仮説というのはトンデモとある意味未分化な状況であると。その状況をライブ的につっこみつつ楽しむというのがホライゾンの楽しみではないかなあ、と思うわけです。つまり、単なるトンデモ番組でもないし、既にわかっていることの単なる啓蒙番組でもないというところの面白さだと。

で、この近未来氷河期の話ですが、これは英国の気象台もかなり本気で検討している問題のようなので、どれくらい近未来かは別にして、まるっきりトンデモでもない、という印象を番組からは受けました。実際、地球温暖化といえば、暖かくなることばかりかんがえているがヨーロッパについては逆かもしれない。だとすると、イギリス政府の温暖化対策って結局あさっての方向に向いている可能性もあるんじゃないの?というのが番組の結論だったし。

逃避してるな。