英語と日本語

片岡義男が『日本語の外へ』のなかで(まだ読み終わってない)日本人がアメリカのテレビなどでしゃべった英語が、表面上は英語なのだが論理が日本語のままで、なにをいいたいのかよくわからない(宮沢首相の例だったと思う:個人名はでてなかったけど)というようなことを書いていたのを、しばしば思い出す。

こういう例で僕の記憶のなかでいまでも結構思い出すのが、去年のワールドカップのとき、イングランドチームが泊まった淡路島のホテルの人だ。BBCの朝のニュースで、その人はインタビューされていた。「イングランドチームがそちらに今日から泊まるそうですが、そちらの受け入れ態勢は万全ですか?」みたいな質問だったとおもう。

で、こういうとき、英語話者であるならば、「ええ、もうばっちりです。最高のホスピタリティーでおもてなししたいと思います」とかなんとか、とにかくポジティブにいうと思うのだが、その人は、きれいな英語ではあるのだが、「ちょっと不安ですけど、いやまあ、できるだけがんばります」みたいな感じだった。こう日本語でかくとそんなにひどくない。実際、日本人に向けて日本語でそれを言ってたら、そんなに悪い印象にはならないと思うんだけど(もちろんそれは日本人相手に向かっていうことになるという要素があるからだけど)、英語でそういうと「かなり頼りない、ほんとだいじょうぶか。。」みたいな印象を与えてしまうのだ。

もちろん、日本語でも営業トーク的な押し出しのよいしゃべりはあるとおもうのだけど、それと英語で「ええ、もうばっちりです。」とかいうときのしゃべりは、少し違うと思う。後者は「パブリック・スピーチ」という意識があるが、前者にはそういう意識がない、というか。。いや、ぜんぜんうまくいえないんだけれども。

ともかく、このときの記憶はかなり強烈に残っているのだった。