接続のためのクリップ

駐日フランス大使のウェブログ at はてな*1
http://d.hatena.ne.jp/Montferrand/

大使館は何よりもまず対話のための媒体であらねばならぬと考えています。そこで、在京の大使館の活動をより良くご理解いただき、日仏間の対話の促進に役立つ話題を提供するべく、ブログを開設することになりました。

オーストラリアの出版社トランス・パシフィック・プレス
http://www.transpacificpress.com/

Trans Pacific Press was established in Melbourne, Australia, at the beginning of 2000 to publish scholarly books on Japan and Asian societies. We endeavor to produce high-quality studies professionally, expeditiously and cost-effectively. Most of our titles are published both in hardcover and in paperback and distributed internationally. All our books are mailed from Melbourne to any location in the world by economy air.
  The JAPANESE SOCIETY SERIES, edited by Professor Yoshio Sugimoto, School of Social Sciences, La Trobe University, constitutes our flagship series and publishes ground-breaking studies on contemporary Japanese society.

 トランス・パシフィック・プレスは、日本とアジアの社会についての学術的研究書を出版するために、2000年の初めに、オーストラリア・メルボルンに設立されました。私たちは、質の高い研究を、プロフェッショナルに、迅速に、費用効果的に(つまり安く)だしていくことに努めています。わたしたちの出す本のほとんどは、ハードカバーとペーパーカバーの両方で出版されており、国際的に流通されます。すべての本は、メルボルンから安い航空便で世界のどこにでも郵送されます。
 「日本社会シリーズ」は、ラ・トローブ大学社会科学学部のYoshio Sugimoto教授によって編纂されている、本社の主力シリーズで、現代日本社会についての画期的研究を(英語で)出しています。

で、ラインアップのなかには、小熊英二の『単一民族神話の起源』とか、上野千鶴子の『ナショナリズムジェンダー』とか、梅棹忠夫『文明の生態史観』の英訳が。
Eiji Oguma, A Genealogy of 'Japanese' Self-images (Paperback)(ISBN:1876843047)
Chizuko Ueno, Nationalism and Gender (Paperback)(ISBN:1876843594)
Tadao Umesao, An Ecological View of History: Japanese Civilization in the World Context (Paperback) (ISBN:1876843896)
そのほかはここから。
 日本の学問はこういう翻訳の作業があってようやく世界に接続するわけだけど、(講談社インターナショナルはべつにして)こういう出版社がオーストラリアからでてくるというところがいいな。


日本の出版社よ海外へ
出版社トランスビューPR誌「トランスビュー」no. 2(2002年1月発行)掲載の、フランス著作権事務所取締役のカンタン・コリーヌさんの一文。

現在、数少ない例外を除けば、日本の出版社は日本における出版しか考えていないようで、外国での翻訳出版は著者自身に任せ、あるいは数少ないエイジェントにその作業を委ねているのが実状でしょう。
 自分たちが出版するあらゆる出版物が、世界中で翻訳される可能性があることに対して、もっと認識を高める必要があるでしょう。外国に版権を売ることは、名誉であると同時にビジネスチャンスでもあります。ビジネスに限らず、クリエーションのレベルでチャンスを増やすことでもあります。というのは、国内市場だけでは経済的に不可能な企画が、何カ国かの市場を視野に入れた場合、進行できるようになることもあるでしょうから。
 (中略)
 日本語がもっと頻繁に読まれているアジアの国々とは違い、欧米の編集者たちがまず求めているものは、欧米の言語で書かれた日本の作家や作品の情報です。つまり、英語の資料です。
 現在、日本に関心を持っている編集者は、自分で日本語を読み、調査しない限り(そういった人はほとんどいませんが)どこから情報を得るのでしょう。それには、大きく分けると三つのルートがあります。第一に、日本語・日本文化の教授や研究者たち。彼らの意見はもちろん貴重ですが、当然彼ら自身の関心によって推薦する作品が片寄ります。第二に、年に4回刊行されている国際交流基金刊の英語の出版案内「Japanese Book News」。この雑誌には、とてもためになる解説が掲載されていますが、この存在を知らない外国の編集者はまだ多いし、この雑誌が対象としている彼らの手にはまだ届かない場合があるようです。そして最後に、二つの専門的なエイジェント(日本著作権輸出センター及び旧オリオン現酒井著作権事務所)に、私のような、外国の作品の邦訳出版権を専門として扱いながら、日本の書物の翻訳出版の可能性を感じ最近それにかかり始めたエイジェントがいます。
 このように膨大な生産物が、非常に少数の人々の手で、世界の国々を相手に紹介されていることを考えると、現行の制度が最適なものでは言えないことが分かってくると思います。
 (中略)
 このような作業をしばらく3〜4年ほどおこなって、何の効果もなかったら、2001年にでたらめを言っていたカンタン・コリーヌに文句を言って下さい!

 そろそろ4年ぐらい経ちました。日本の小説のほうはかなりでるようになってますが、他はどうでしょう。

*1:via id:fenestrae はてな復帰たいへんうれしいです。