自衛隊は軍隊か

しかしながら、自衛隊員が軍人であるのか否かというのが意外とあほらしくもやっかいなのである。

僕は、昔行っていた大学で、幹部候補生レベルの自衛隊員の方々と面識をもつ機会があったのだが、彼らから、いざとなれば自分たちは命をかけて戦う(あるいは任務を遂行する)という軍人としてのプロフェッショナリズムについて聞かされたことがある。しかし、それは彼らのレベルであるからそうなのであって、自衛隊員全般がそのようなプロフェッショナリズムを共有しているのか、ということはあるのかもしれない。

しかしそれ以上に問題なのは、自衛隊員よりもむしろ政治と国民の側にあるだろう。id:gaikichi:20040117#p2で述べられているように

が、自衛隊が真に、国民を守るため危険を甘んじて汗水流してる人たちとして敬愛される存在になってきてるかといえば、そっちは全然そうなってるように思えない。

依然として、結局誰かがやらなければならない3K労働を甘んじて押し付けられながら、ドキュン扱いしかも平和の敵扱いでバカにされている、というのが自衛隊の地位ではないのか。

これは、あきらかに、自衛隊に対して(政治(そして国民が与えてきた)法的位置付けの曖昧さにかなりの程度負っていることは覚えておく必要がある。こういうところに、憲法をごまかしてきたツケがあるように思う。実体は軍隊なのであるから(あるいは軍隊化しているのであるから)、まともに、自衛隊をサポートするためにはむしろきちんと軍としての法的位置づけをあたえるべきである、という議論もありうるのではないか。