官僚批判から政治家批判へ

id:kanryo:20031114#p1(とid:flores:20031112#p3)

id:kanryoさんも言っているように、官僚的作文作法が存在することにはそれなりの理由と合理性が存在している。単なる官僚批判は意味がない。

官僚と拮抗する勢力が弱いことが問題なのだ。批判され叱咤されるべきは政治家である。もちろん、現状において、政治家を政策立案にサポートするシステムが十分に整備されていないことも事実だろう。しかし、それを変えることができるのも政治家だけなのだ。

そして、この政治家批判という点において、まだまだこの国では進歩する余地がある。こういう話をすると、すぐに選挙の話になってしまいがちだが、それがまたダメだと思う。政治家批判作法を磨き、id:flapjack:20031109#p1でも書いたが、政治家に、きっちり政策をださせ逃げ場を与えないように追い詰めていくための議論の場の設定をしていくこと、そういうことが重要なのであって、そういうものなしに選挙などといっても結局イメージの勝負という話にしかならないと思う。

そういうことを考えると、田原総一朗、特に「朝まで生テレビ」の罪というのはそうとうに大きいのではないか、と思う(もう5年も見てないけど)。BBCのQUESTION TIMEという番組が、政治家を中心としたパネル同士の議論と、聴衆からの質問・発言という点において、「朝まで生テレビ」と似ているといえば似ているのだが、そのクオリティーの違いは(もちろん比べるのが間違いといえば間違いなのだが)泣きたくなるぐらいである。この番組の司会のディヴィッド・ディンブルビーが日本語を話せたら、それだけでものすごく違うだろう。聴衆そのものの質ということがあるにしても、番組の制作の方法などにおいて卓越したものがあることを感じる。はっきりいって、それによって、聴衆そのものの質があがっているのではないか、とさえ感じる。イギリスの真似をするならば、そういうコミュニケーションの技法をこそ真似るべきなのだと思う。

Question Time Website
http://news.bbc.co.uk/1/hi/programmes/question_time/default.stm
番組の説明
http://news.bbc.co.uk/1/hi/programmes/question_time/1858137.stm
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