Ejovi Nuwere氏、総務省を表現の自由の侵害で提訴

cedさんのところ経由。記者会見での声明と訴状の詳細が読める。声明の部分を以下引用。

Ejovi Nuwere(イジョビ・ヌーワー)
2004年11月22日
 まず最初に私が言いたいことは、この訴訟はコンピュータ技術やハッキングに関するものではないということです。この訴訟のすべては言論の自由に関するものです。
 10日前に都内で開催された国際シンポジウムにおける私の発表は、総務省によって検閲されました。私はこのシンポジウムで、総務省とは意見を異にするかもしれない調査研究を発表する予定でした。これに対して、総務省は、直接私と会って彼らの懸念する事柄を解決しようとしないで、主催者に私の発表をキャンセルさせることを強いました。彼らが行ったことは、最も典型的な検閲でした。
 総務省には、日本の国民か否かに関わりなく、いかなる人々に対しても「話してはならない」という権利はありません。私たちにはだれもが、政府の監督の影響を受けずに自由に、自分たち自身で考え、自分たちの意見を話す権利が与えられているはずです。
 私には沈黙するという選択肢もありましたが、そうすることは声を上げようとしている他の人々にとって悪しき先例になると同時に、検閲をしようとする者への励ましとなることです。私は総務省の妨害行為を見過ごすことができません。
 この訴訟は政治活動のためのものではありません。民主主義とオープンな対話を促進するためのものです。

 こんなことはいままでも数多くあったと思うのだが、それを「表現の自由の侵害」の問題として裁判において正面から問うこと自体が重要だとおもう。これを「表現の自由の侵害」の問題として考えることすら僕たちはしてこなかったのではないか、と思わされてしまったのだが。メディアはこの裁判を大きくとりあげるべきだとおもう。

The State Opening of Parliament�国会開会式

仕事してて、テレビをつけるとThe State Opening of Parliament 国会開会式の中継がされていた。ウェブ上ではたとえばBBCでもガーディアンでも女王のスピーチ(The Queen's speech)の内容のほうに注目があつまるわけだが(とくに来年の総選挙前の最後の女王による大きなスピーチということもある)、この開会式は相当の儀式でそれだけでかなり見ものである。女王の行列が議会にはいってくるわけだが、その細かい部分部分が古くはチューダー朝以前の故事にさかのぼり、BBCではそれを事細かに説明してくれるわけである。はっきりいって、バッキンガム宮殿の前にいくより王室の結婚式を見るより、この日にテレビを陣取ってみていたほうが何十倍もイギリスのpomp and circumstance(国家の儀式に見られる威厳と権威の誇示)を目にすることができる。イギリスの議会史・政治史に興味がある人には堪えられない機会でしょう。そうでなくても、イギリスの民主主義の歴史は深いなあ、とおもわされてしまうことですよ。特に上のような話をみたばかりだと。
 しかし、ちと硬いっすな、最近。少しやわらかいはなしもしたいんだが、書いてたネタがCディスクごとばっさりなくなってしまうし意気消沈。